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1日目(5月31日)
尾瀬まったり散策は、山岳部山行では久しぶりの大人数で、
女性割合が60%なのは、山岳部山行史上初めてかもしれない。
そんで、今回が山岳部デビューのコもいて、
もっとアウトドア好きになって、山にデビューしてもらいたいです。
そんな期待を込めながらの尾瀬です。
大清水駐車場に5時30分に到着したら、車は少なくてどこにでも置き放題。
んでも、天気は、・・・・・雨。
山岳部デビューを雨具で飾ってしまうなんて・・・。
期待が不安に変わります。
小雨が降りだしてしまいました。
止む様子もないから、車の中で朝食のおにぎりを食べて、山登りの準備をします。
カッパを着ていたら、さらに雨足が強くなったような・・・・・。
気分は、下げ下げだけど、雨でも楽しくなるような散策になるといいな。
はじめは、車が走れるような真っ直ぐななだらかな林道を歩いていきます。
準備運動には、ちょうどいいかも。
この林道は、尾瀬の産業振興と観光を目的に建設計画された自動車道で、
戸倉から沼山峠までの計画のうち大清水までが建設されたものです。
長蔵小屋の主人による建設反対運動により、
自動車道の建設工事が中止されたのだけど、
その遺物なのだろう。
カッパってカラフルですねぇ。Singing in the rain
自動車道ができていたら、
尾瀬は乗鞍岳のように楽々アプローチできるようになったろうけど、
尾瀬の自然は、今と違ったものになってたんだろうなぁ。
一ノ瀬休憩所に到着
ここでM利さんにザックについているベルトの調整の仕方をアドバイス。
「@ウエストベルトを腰骨の上の出っ張りの部分を包み込む位置で締める。
A両脇のショルダーベルトを引っ張り、
適度にザックをリフトし、ザックの重量を腰と肩に分散させる。
B両肩のショルダーベルトを引っ張り、適度にザックを背中に密着させる。
Cチェストベルトを胸が苦しくならない程度で締める。」でした。
これは、中・大型ザックの場合で、
小型のザックだったら、ウエストベルトはザックの横揺れを防止するのが目的だから、
お腹で軽く締めておけばよろしいかと。
Y道さんの座ったベンチの背もたれに「持ち帰りです」の文字が。
続けて読むと
「Y道さん、持ち帰りです」
誰か、持って帰るかぁ?
一ノ瀬休憩所を過ぎると三平峠への登りが始まります。
三平峠付近です。まだ雪が残っているところがあります。
ミレーのザックカバーはN村(桂)さんですが、
カッパとザックカバーの色は計算されたコーディネートなんでしょうね。
そういえば、先日、山の店でザックカバーを選んでいる人が、
ザックカバーの色とザックの色が合うかを悩んでいたけど、
ザックにザックカバーを被せてしまえば、
色の取り合わせは関係ないですってぇ。
Photo by Ksaki
雪には、しっかり踏み跡があるので、それほど滑ることはありませんでした。
三平峠からの下りでは、尾瀬沼と燧ケ岳を見ながら気持ちよく降り、
これから始まる尾瀬散策に期待が膨らむところですが、
今日は、その景色は白いカーテンに包まれてしまってます。
尾瀬沼山荘の休憩所でひと休み。
Y道さんの姿がいつの間にか消えていました。
休憩所を出ると、
Y道さんは、暇で体をもてあましたのか、
道の脇に刺してあったスコップを取って、道の除雪をしていたのです。
雪とスコップを見ると雪かきしたくなるのが雪国人のサガなのだろうか?
ここから尾瀬沼の畔の木道を歩るくのですが、あちこちに水芭蕉が咲いています。
水芭蕉の一番の見頃に来たのかもしれません。
尾瀬沼ビジターセンターに立ち寄り、尾瀬の自然を学習した後で、
急遽っていうか、誰か行くんなら行ってもいいざって編成された
燧ケ岳アタック隊のY道さん、M島さん、K嵜さんと別れ、
尾瀬沼の北岸に沿った道を、
小学生なら女の中に男がひ〜〜とりって、はやし立てられる状態で沼尻休憩所に向かいます。
不良のツキノワグマやオコジョに取り囲まれたら、
「ここは俺に任せて、みんな逃げろ!」って男気を出して、
戦うんだろうな。
みんな、水芭蕉を見たらオイラのことを思い出してくれ。
「N阪さんは、水芭蕉になったんだね。」って。
大江湿原から長蔵小屋
大江湿原の流れは、静かに沼に注ぎ込んでいます。
沼尻休憩所で昼食にしましょう。
沼尻休憩所を発ち、
段小屋坂の濡れている木道は滑りやすく、
下りの傾斜のある木道では、踵に体重を乗せて足を着地すると、
氷で滑って転ぶように、
体が中に浮いてしまいます。
オイラも1回、転んでしまったし・・・。
このことで、夜の飲み会でT下さんに、「N阪さんは転ばないと思ってたのに」と、
突っ込まれてしまって、
「俺が転ばないと、みんなにプレッシャーかけるから・・・。」と、
しどろもどろに。
そしたら、
「N阪さんも転ぶんだから、みんなが転んでも当たり前だよと、リラックスさせたんですね。」と、
T下さんは、笑いながら突っ込み&フォローでした。
燧ケ岳がガスの中から顔を出しました。
この頃、燧ケ岳アタック隊の、
強風を避け、寒さに震えながら、岩陰で昼食を取り、
そして、頂に立ったのでした。
Photo by Ksaki
下田代十字路に早く着いたら三条ノ滝を見に行くというプランもあったけど、
今晩泊まる彌四郎小屋で靴を脱いでしまったら、もうダメです。
歩こうという気持ちが出ません。
彌四郎小屋の床下は、まだ凍っていて、夜は冷えるそうです。
部屋に置いてある布団を枕にして横になっていたら、
1時間ほど布団を掛けずにうたた寝してしまって、
体が冷えてしまいました。
尾瀬ヶ原の東には燧ケ岳、そして西には、この至仏山
何するわけでもなく、小屋のスリッパを借りて、
近所を歩き回り、自分へのおみやげを買い、
写真を写して夕食までをボヤンと過ごします。
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彌四郎小屋です。尾瀬ヶ原の真ん前に あって、部屋からのロケーションがいい です。 |
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畳縁に水芭蕉が! | ![]() |
小屋の夕食です。豪華ですぅ。 |
夕食の後は、全員で男部屋に集まりミーティングしました。
今日の行動の反省を涙ながらに述べる者あり、
明日の目標遂行を叫んで決意する者あり、
己の人生を静かに語る者あり、
部屋の空気は凛と張りつめ、
皆の登山への情熱はますます高揚し、
円陣を組んでパーティー全員の堅い団結が確認されたのでした。
んな訳なくて、ビール、ワイン、焼酎、梅酒を持ち寄り、
何でもない話や山の話をしてたのでした。
2日目(5月4日)
階段を降りる音や廊下を歩く音で目が覚めました。
まだ暗いです。
早立ちするんすかねぇ。もう少し寝ます。
・・・・・・・。
明るくなって、
部屋のガラス戸から空を見上げると・・・・・。
きれいに晴れ渡ってるじゃないですかぁ。
早起きして朝焼けを見たかったなぁ。起きれないけど・・・。
朝の燧ケ岳です。
木道が混まないうちに、
目覚めた水芭蕉を写したい水芭蕉ハンターたちが、
大事な落し物を探すように、
キョロキョロと地面をくまなく、注意深く、
水芭蕉ひとつひとつの咲き具合を確認して回っています。
Photo by Ksaki
今日は、竜宮十字路、山ノ鼻を通って、鳩待峠に出ます。
流れに沿って咲く水芭蕉
朝の7時でこんなふうに人の列ができてしまうのだから、
昼頃には、アリのように人の行列が、
下田代から山ノ鼻まで、ずっとつながっていることでしょう。
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遮るもののない湿原をまっすぐに木道が伸びていて、
その向こうには湿原を取り囲むように林が、そして山々が連なっています。
日常にはない景色に不思議な感覚を抱かされます。
逆さ至仏山です。
山ノ鼻までは一本道で迷うことがないから、
山岳部隊員は思い思いにカメラで景色や花を切り取っていました。
リュウキンカ
見所ポイントがいっぱいあって、混雑、渋滞です。
という自分たちも撮影しまくりで、なかなか前に進みません。
カメラマンの人だかりができていた見所スポットからの至仏山
大堀川の流れに沿って群生する水芭蕉と至仏山をカメラに納めようと、
三脚を置いてじっくりカメラを覗いている人や
携帯電話のカメラをかざしている人や
この景色をバックに自分を写してもらおうとポーズをとる人たちが、
20メートルほどの間に隙間なくひしめき合ったいるのでした。
今度は、逆さ燧ケ岳を狙ったけど、波が立ってしまった。
水芭蕉だけじゃないよザセンソウ
「夏の思い出」
(1)
♪夏が来れば 思い出す 遥かな尾瀬 遠い空
♪霧の中に 浮かび来る 優しい影 野の小径(こみち)
♪水芭蕉の花が 咲いている 夢見て咲いている 水のほとり
♪石楠花(しゃくなげ゙)色に 黄昏(たそがれ)る 遥かな尾瀬 遠い空
(2)
♪夏が来れば 思い出す 遥かな尾瀬 野の旅よ
♪花の中に そよそよと ゆれゆれる 浮き島よ
♪水芭蕉の花が 匂っている 夢見て匂っている 水のほとり
♪まなこつぶれば なつかしい 遥かな尾瀬 遠い空
歌詞を読んでいると、つい頭の中で歌ってしまってるでしょ。
この歌のおかげで、水芭蕉は夏の花だとずっと思ってました。
そういう人たちも多いはずです(勝手に仲間を募ってるけど)。
夏の尾瀬はニッコウキスゲですね。湿原を鮮やかな黄色が彩ります。
山ノ鼻に近づくにつれて、軽装の観光客の割合が多くなってきました。
「遥かな尾瀬」じゃなくて「身近な尾瀬」になってますよね。
辛い登りを終えて頂上で眺める景色もいいけれど、
のんびり眺める湿原の花もいいですね。
んじゃ、急な登りをどんどん歩かないと見ることができない高地の湿原の花々となれば、
きっと相乗効果で素晴らしい眺めになるんだろう。
ずっと前に至仏山と燧ケ岳に登ったときは、
ガスの中だったから、山の上から尾瀬ヶ原を見下ろすことができなかったので、
今度は、深い山の中に広大に広がる原っぱや沼を見渡してみたいです。
そのときには、昨日と今日、尾瀬を歩いた思い出に浸ったりするんだろうか。
ボッカさんの背負子ですが、その高さにビックリ!
山ノ鼻からゆるい坂道を登ると鳩待峠で水芭蕉散策ツアーはお終いです。
ここからはバスかタクシーで戸倉に戻ります。
Photo by Ksaki
先行隊の2人に大清水駐車場の車を取ってきてもらい、戸倉で合流して、温泉と昼ごはんです。
温泉は、片品村の「寄居山温泉センター」です。
尾瀬からちょっと離れているのと表通りから目立たないので、
ほぼ貸し切り状態でした。
昼ごはんは、鳩待峠から戸倉へのタクシーの運転手さんに聞いた「竹屋」で
舞茸釜飯をいただきました。
5/31 |
大清水(6:15)→一ノ瀬休憩所(7:15)→三平峠(8:30)→三平下の尾瀬沼山荘(9:00/9:30)→ 尾瀬沼ビジターセンター(10:00/10:20)→沼尻休憩所(11:30/12:20)→下田代十字路(14:00) |
宿泊:彌四郎小屋 |
6/1 |
下田代十字路(7:00)→竜宮十字路(8:00)→山ノ鼻(9:20/9:50)→鳩待峠(11:00) |