富士山周辺五山周遊登山
愛鷹山・毛無山・黒岳・三ツ峠山・御正体山

赤い三角が登った山です。富士山の南から時計回りに周遊しました。

2005/4/29

愛鷹山(あしたかやま) 別名 越前岳 (1504m)

わが名はアシタカ!
東の果てよりこの地に来た!そなたたちはシシ神の森に住むと聞く 古い神か?!

28日の夜に集合し、東名高速道路をひた走ってます。
大きなトラックが車体を揺らしながら車線変更し、車間距離を詰めてくるではないですか。
GWに入った高速道路は隙間なく車が突っ走っています。

前夜、小宴会があって酒を飲んでしまったものだから、
運転することなく後部座席にいて、運転はY道さんとH江さんにお任せですが、
意識が薄れた部分はあるもののほとんど眠れずに富士ICを降りたのです。
運転できないなら、もっと飲んどいて、ぐっすり寝ればよかったかな?
おいおい、そういうこっちゃないでしょ。

十里木(じゅうりき)登山口の駐車場(無料、トイレ、水場あり)に到着したのは、明け方でした。
みんな全然寝てないから頭がボーッとして感じで、
出発時間に急かされながら、ザックに道具を詰め込み、靴を履き替えました。
久しぶりの山登りだから何をザックに入れたらいいのか忘れていて、
とりあえず、雨具、ヘッドランプ、非常食、カップと水を入れてから、
山登りのシュミレーションをして、
まず、汗が出るからタオル、
写真をとるからカメラ、
途中腹が減るから行動食、
こんなふうに考えながらだったので時間がかかってしまいました。

まず階段状のコースを登り始め、しばらくすると丸太でできた富士山展望台があります。
広い裾野からなだらかで後は傾斜を増す山際の線の先には、
冠雪が白く輝いていて、
富士山は視界のほとんどを占めて立ち上がっていました。
一同感激です。
これまでは、六本木ヒルズの展望室から小さく見えたり、新幹線の窓から見上げただけだったから、
間近で見るその大きさには驚きです。
この展望台じゃなくても、登りの途中で振り返れば富士山があるのですが、
休憩を兼ねて改めて見入ってしまいます。


富士山上空にかさ雲?天気が悪くなる兆候か?

展望台から電波塔を過ぎて笹や今が見頃の山桜の中を登ると、
やがて雑木林の中に入り、背負った富士山は見え隠れするようになります。

頂上には三角点とベンチの他に雨を貯めて酸性雨の状況を調べるボトルがあり、
林の向こうに富士山が見えています。
少し霞んできたかな。


愛鷹山山系でもっとも高い越前岳

下りは登ってきた道を戻るから、ずっと富士山を正面に歩いていきます。
右手中腹には西暦1707年の宝永噴火でできた大きな火口が大きく口を開いています。


富士山の南側の風景

富士山の裾野はゴルフ場やレジャー施設が点在していて、林がトラの模様のように刈り取られています。

駐車場に戻り靴を履き替えてと。
いつもなら本日の活動は終了だけど、今回はダブルヘッダーなので、これから次の山へ向かいます。


秋を感じさせるような風景だけど、新緑の季節

毛無山(けなしさん)(1946m)

富士山の西に位置し朝霧高原を隔てて、これまた富士山の展望台として有名な山だとか。

事前の情報では駐車場が遠いんだけど、
行けるところまで行ってみて、なかったら引き返そうということで、
東京農業大学富士農場横を過ぎて、さらに車を進めたら、
登山口の横に駐車場がありました。
有料と書いてあるけど、
管理人がいなくてどうやって料金を払うんだろうと思って先着の人に聞いたら、
備え付けの封筒に車番を書いて500円を入れて料金箱の中に入れておけばいいということです。

神社や金山精錬所の跡をすぎて急坂を登ります。
不動の滝。一筋の細い滝
Y道さんの足が痙攣を始めてしまい、
数歩、歩くたびに足を休ませなくてはいけなくなってしまいました。
H江さんがマッサージしたりして休むと収まるのですが、
歩き始めるとすぐまた痙攣が起きるようです。
クエン酸を飲むと治るとか聞いたことあります。
今朝コンビニで干し梅を買ったんだけど、ザックに入れるのを忘れてしまいました。申し訳ない。
そんでもすぐに効き目が現れる訳じゃないから、痙攣したら梅干食べても遅すぎますね。
後で調べて分かったんだけど、芍薬甘草湯が即効性があるらしくて、
飲んで10分で痙攣が治まったという報告があるとかないとか。
近所の漢方薬局で聞いてみようか。

でも、現場で漢方薬を煎じてたら時間がかかりすぎるなぁ。
どないにするんやろ。

今日2つ目の登りなもんで、
寝ていないせいか3人ともふらつきぎみで、かなり疲れがでてます。
登りがとても辛いのですが、
Y道さんの足の痙攣のおかげ?で、ゆっくり登ることができて助かりました。

頂上からは富士山の西側の斜面を眺めることができるのですが、
春の時期は空気が霞んでいるから、ボンヤリとしか見えないのが残念でした。


薄っすらと富士山が

頂上は、8人ほどの人が昼ごはんを食べていました。
この頃、行動食を多めに取るから昼ごはんは少なめにしていて、
大き目のこしあんドーナツがメインディッシュでしたが、
貧相な食事と哀れんでいただいたのかY道さん、H江さんからラーメンをゴチになりました。
ありがとうございます。

しばらく草の上で仰向けになっていました。あ〜、このまま寝てしまいたい。

この後、オイラの身に大変なことが起きてしまったのです。

登りで微かに右膝の外側にやや痛みを感じていたのが、
下りでははっきり分かるようになり、足を曲げるたびに痛みます。
それで痛む右足を先に下ろして膝を曲げない方が痛みが少ないと分かったのですが、
半歩ずつ歩くことになって、かなり歩く速度は遅くなってしまいました。

今回は高い山はないからWストックは必要ないかなと思ったのですが、
念のために持ってきて助かりました。
下りでの支えがなかったら、かなり痛いだろうし、
2日以降は山に登らずに温泉でマッタリして時間をつぶす以外なかったでしょう。
自分の判断に感謝、感謝。

下山して、宿泊地のキャンプ場へ向かう途中で、コンビニに寄って氷を買いました。
焼酎に入れるんじゃなくて、もちろん患部を冷やすためです。
氷の袋を膝に当てて包帯でグルグルと巻いて留めます。
いや〜山の中の縦走でなく、コンビニが近くにあって助かったぁぁぁ〜〜。

それから明日も明後日も下山後は氷をこんなふうに膝に当ててたのでした。

幕営地は河口湖畔の戸沢キャンプ場です。
テントサイトのすぐ傍が湖です。
っていうか、湖と道路の間の狭い土地に縄張って区画しただけで、
まるで駐車場じゃん。

湖の対岸に微かに大きく富士山がそびえているのが分かります。
富士山は浮世絵の富嶽三十六景並みの迫力で、
景色のほとんどを富士山が占めています。それくらい大きい!

風呂は、近くにいくつもあって、小さいけれど新しいという「あかり亭」に向かいます。
浴室には客がいなくて貸切状態です。
さすが休火山の富士山の周りは温泉地が豊富で、過当競争になっているそうです。
温泉じゃないから「あかり亭」は人気がないのかな。


H江さんは、Myワイングラス持参です。


夕食は、ランタンの灯りの元で、
アルファ米にそれぞれレトルトのビビンパ丼やクラムチャウダー等をかけて、おいしくいただきました。
もちろんビール、酎ハイありで、
H江さんにはスペインワインの2リットルパックをご披露いただきました。
このパックには、蛇口(注ぎ口じゃないよ)が付いてて、樽のワインを飲んでる感じ。
ちょい大げさか。


2005/4/30

黒岳(1793m)

朝はすぐに来てしまいます。
テントスペースが湖に向かって傾斜してるから寝ている間にずり落ちてしまい、
H江さんが夜、目を覚ましたら横に寝ているはずのY道さんのシュラフがなくて見回したら、
足元のほうにいたとか。

周りのテントも起き始めて、火を起こしていたり、バス釣りしています。
なんともGWらしい風景です。

朝食は、焼いていない食パンにツナ&たまねぎ入りのマヨネーズを塗りました。
焼いてない食パンは喉につかえるよぅ。
ジュースで流しこもうっと。

テントを撤収し、黒岳へ向かいます。
登山口には駐車場がなく、やむなく路上駐車です。

林道は杉林の中を過ぎて、ブナの林の中を登って行きます。
この道は街道だったらしいのですが、その痕跡はありません。
膝は、全然痛くないから調子よく歩くことができます。
戦国時代には城があったという解説の看板のある御坂峠は、明るく開けていますが、
かつての茶屋は扉を閉めて廃屋になってるようです。


外人さんが食事してた。木にハンモックを吊って寝たそうな。文化が違うな。

徐々に登っていく稜線は、自然を利用した城の土塁のようです。
頂上は周りの林で眺望がないので、お茶をして早々に立ち上がりました。
頂上下の坂では再び膝がけっこう痛くなってきました。


里山風な和みの道です。

静かな山頂です。

ここを降りて車で次の三ツ峠山へ向かうのですが、
尾根沿いに三ツ峠山へ行けるので、Y道さんとH江さんは、そちらに向かうそうだけど、
オイラは膝が痛いから、降りて車で登山道入り口に向かうことにします。

三ツ峠山(1785m)

車を三ツ峠登山口駐車場に停めて、車道のような林道を登ります。
膝に無理かけないように、
登りが急になったところで引き返そうと考えているのですが、
たいして急な登りはなく、
つづら折れの車道は、コンクリートから土に代わり林の中を登ります。
なぜだか道に轍が。
工事車両が山に入ってるの?


道路工事してるの?って、掘削したような林道。

四季楽園への分岐で三ツ峠山荘へ向かい、
その山荘を過ぎて木無山の稜線に出ると多くの人たちが休憩してました。


三ツ峠山の山頂

視線の先には電波塔が林立している三ツ峠山と
その右手にはクライマーたちが絶壁をよじ登っている屏風岩があります。
三ツ峠山へは急な坂を登ることになるので、
この辺で勘弁してやろうと来た道を引き返します。
すると山荘の横で、ひょっこりY道さんとH江さんに出くわしました。
山道を縦走して三ツ峠山に登ってくるのかと思ったら、
御坂山から下りて車道を歩き、三つ峠登山口から登ってきたとか。

そんじゃ、三ツ峠山に登ることにしますか。
眺めたとおり急な坂です。
丸太で土留めをして階段が整備されている部分もあるのですが、
崩れやすい土質のためか丸太だけを残して土がえぐれています。
狭い山頂に人が溢れかえってる。
置いてある方位盤で富士山の方向を確かめるのですが、
薄曇りでさっぱり見えません。

早々に下りかけて山荘の横を通ると、
太いタイヤにチェーンを掛けた四輪駆動車が停まっています。
轍の正体はこれか・・・。
山荘の荷揚げ用車両ってことか。
その先の道には深々とえぐれた轍が伸びていてました。
自分としては電波塔と合わせ技一本で登って損した山に決定しました。
富士山でも見えれば敗者復活戦もあったのですが、
一回戦敗退状態です。
しかし、多くの人たちが足を運んでいるのは何か他の魅力があるのかな。

山梨に行ったら「ほうとう」を食べなければいけません。
食べたことないけど、だから食べなければいけません。
名物だから観光客は食べるけど、なぜか山梨の人は食べないのは、
うまくないからだとかいう話もありますが、そんなことないです。
かぼちゃと味噌味のスープの煮込みうどんでした。

かぼちゃの甘さが出るから好き嫌いの意見は分かれそう。
ちょっと値段が高いけどね。

さて、今晩は山中湖のキャンプ場に泊まるってことで、
近くの「石割の湯」で汗を流します。
日本最高級の高アルカリ性温泉で美肌にいいとか。

山中湖の畔にある湖山荘というキャンプ場には夕方到着し、

荷物をバンガローに運び入れる頃には日が暮れてしまいました。
周りでは家族やグループがランタンの下で楽しそうにバーベキューしているのですが、
我々だけは、部屋の中でジットリとビール、焼酎、ワインの杯を重ねています。
周りのバンガローに泊まった人たちには、
遅くにバンガローに来て大きな荷物を運び込み、
バーベキューもせずに部屋に引きこもっていて、さっさと明かりは消えてしまうし、
朝にはいなくなっている怪しい3人組と映ったことでしょう。


2005/5/1

御正体山(みしょうたいさん)(1682m)

朝食は前日と同じメニューです。
う、うっ、喉が詰まりそうぅぅぅぅ〜〜〜。

道志みちの途中の見落としてしまいそうな小さな看板を頼りに細い道を山に向けて走ります。
これ以上は車の底がつかえそうというところで、道の脇に停めて歩き出しました。
小川沿いの道で新緑の木々がきれいですねぇ。


尾根に出るまでは急な坂で、尾根からは緩やかな道が続いているかと思ったら、
またもや急な坂が何度かあって、もうごちそうさまです。


風景とマッチせず、居心地が悪そうなテーブルとベンチ

頂上は平らで広く、真新しいベンチとテーブルが浮いています。
昨年、皇太子殿下が登頂したと書かれた看板が立っていました。
そこで、テーブル等が新しくなったってのは考えすぎ?
山頂から少し降りたところにコバイケイソウの群落があり、葉はプリーツをかけたようでした。

登った道を引き返すのですが、
あいかわらず膝が痛くて歩きが遅いから、
Y道さんとH江さんの間に入れていただいて、
歩く速度を加減してもらいながらの下りです。
膝を痛めて歩くのがこんなに辛いとは・・・。
一歩一歩、足を出すたびに痛みが脳を駆け巡る。

下山後は、もう一度「石割の湯」でまったりし、
山中湖から御殿場ICで東名高速に乗って帰途に着きました。

富士山をぐるりと一周して、
いろんな富士山の景色を眺めるはずだったのですが、
はっきり眺めることができたのは、
富士山の南の愛鷹山からだけで、
ほかは霞んでいたり、曇っていたりで残念な結果でした。

ああぁ〜、3日間で5山は多いわぁ。
ほとんど山のこと覚えてへんし、記憶がごちゃ混ぜになっとる。
いったん山、降りて次の山まで車で走って、またな登るゆうのん、
ほどけた気持ちをもう一度充実せえへんといかんし、
ヘタレのオイラには、厳しい修行やでぇ。

翌日、整形外科へ膝を診てもらいに行ったら、
「筋肉細いなぁ。こりゃスポーツしとる足と、ちゃうで。
そやから、急に運動すると、こないに壊れるんや。
普段から鍛えとかなあかんでぇ。」と言われてしもた。




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