三嶺(みうね 1893m)
篠山(ささやま 1065m)
三本杭(さんぼんぐい 1226m)


2008/5/2〜5

春合宿T(四国周遊登山)


参加者 Y道、T鄙、S山、K嵜、N阪

1日目(5月3日)

目を覚ますと5人の隊員を乗せた1BOXカーは、高速道路のトンネルを進んでいました。

ふと、映画の1シーンを思い出しました。
地球の中心の核が異常活動を続けて、
このままでは地球が崩壊してしまうので、
その核にミサイルを撃ち込んで異常活動を停止させようと、
選抜された隊員が宇宙ロケットのような乗り物に乗って、
核に向けて地底をモグラのように掘り進んで行く話です。

明け方、5時に剣山への登山口になる剣山神社前に到着します。
ここから、横道、下山、川嵜隊員は、剣山から三嶺への約10時間の縦走に望み、
神社の石段を登っていきました。
そして、残された都鄙、野阪隊員は、三嶺、剣山を車で移動して、それぞれの山に登る計画です。
ところが、一大事が持ち上がりました。
といっても、深夜の徳島から、ずっと懸念されていたことなんだけど、
車のガソリンが底をつきそうなのです。

しかも、ここは日本三大秘境の土地だけに、
むやみに走ってガソリンスタンドを探したのでは、
山の中で身動きできなくなってしまうかもしれないのです。

映画もそんなもんです。
そうたやすく地球の核にミサイルを撃ち込んで任務完了とはいきません。
固い岩盤に行く手を阻まれたり、
地殻変動で起きた地震で乗り物に岩がぶつかって壊れたり、
未知の地底生物に食べられたりと、
生き残って地上に帰ってこられるのは、
ヒーローとヒロインだけってのが相場でしょう。

ここは冷静な判断をということで、ガソリンスタンドの位置を
携帯電話の地域情報サイトから探してみたり、
ここに住んでる人たちが起きて歩き始めるまで待ってみたりと、1時間くらい停滞です。

ようやく店のカーテンを開けたおじさんに、大まかなガソリンスタンドの位置を聞けたので、
三嶺に登ってから給油に向かうことにしました。

去年整備された名頃駐車場から林道を歩き始めます。
しばらくすると林道の右側に牧場のようにイノシシを放し飼いにしていて、
強烈に臭いです。
さっさと通り過ぎることにします。

林道に飽きた頃、山の斜面を直登しますが、
また、林道に出てしまいます。
林道のショートカットだったんだ。

途中、一人で歩いているおじさんにガソリンスタンドを尋ねてみました。
地元の人なので、よく知ってて、
近くのガソリンスタンドを教えてくれました。
それでも、遠いんですけどぅ・・・。




樹林帯を抜けると山の斜面が一面、笹で、
その中にぽっかりと口を開けた池にたどり着き、丘を越えると目の前が三嶺の山頂です。

三嶺は天然記念物のミヤマクマザサに覆われた山です。
山頂の少し前には、すり鉢状の小さな池と山小屋があります。
まるで、天空に浮かぶ庭のように思えませんか?
一月後ぐらいには、天然記念物のコメツツジの白いカーペットが
彩りに加わります。

登っているときも山頂でも木に囲まれていて、
ほとんど眺めがない山があるけれど、
三嶺は、ごらんのとおり、
気持ちのいい、登ってきてよかったぁ〜と思える山です。

縦走隊は、隣の山並みの尾根を歩いているのです。





三嶺に住んでるらしいシ
ロです。頼みもしないの
にガイドしてくれます。
やっぱり四国です。
遊山黒子衆SARUさん
シールがありました。


山を降りたら縦走隊を待つ間に、
おじさんに教えてもらったガソリンスタンドに急行し、
いやしの温泉郷で温泉につかってきました。

縦走隊と午後2時に名頃駐車場で合流する計画なのですが、
道に迷って2時間遅れると携帯に連絡がありました。
だったら、オイラは、給油のために登頂を諦めた、今回の第1目的の剣山に登れたやん!!!(ToT)

疲れ果てた様子の縦走隊の隊員と合流し、
宿泊する民宿「旅人宿」へ向かいます。

途中、渓流とカヌーで知られた大歩危、小歩危を通るんだけど、
ここで、オイラの四国へ来た第2の目的を果たしますよ。
mont-bellのショップへの立ち寄りです。
全国のmont-bellショップを7地区に分けて、
それぞれの地区のショップでスタンプを押してもらうスタンプラリーがあるんだけど、
オイラ、このショップで5地区制覇です。
あと北海道と東北が残ってるしなぁ・・・。
山岳部合宿に北海道と東北のmont-bellショップを絡ませて、密かに計画しちまおうかなぁ・・・。
仙台と札幌を・・・。

ショップでスタンプ押してもらったら、サクッと民宿を目指しちゃいますよ。

民宿は、素泊まりなので、
夕食は、吉野川に面した民宿のベランダで自炊します。
ベランダでは、ほかの宿泊客が盛大にBBQやってるのですが、
民宿のオヤジさんは、焼いたBBQの肉を山盛りにして、我々に振舞ってくれるのです。
この際、甘えてしまおぅ!

そして、生ビールのサーバが置いてあって、
客自身が生ビールを注いで、飲んだジョッキの数は自己申告です。
合宿初日にして、焼肉、ビール、ワインとアゲアゲのノリは、まるで打上げさながらです。

ベランダの上に木の板が掲げてあって、そこには「人生 出たら目」と書いてありました。
翌朝、ベランダで朝のコーヒーを飲みながら、
オヤジの半生を聞いたけど、
なるほど、デタラメな感じ。

レトルトカレーの夕食が、カヌーに来た女性たちに
焼いてもらった焼肉のおかげで豪勢になり、ご満悦
のオジサン+若者1名
mont-bell大歩危店の激
流Tシャツ


2日目(5月4日)

さて、今日は徳島から高知県経由で愛媛県へ移動です。
途中の昼食は、
宿毛市の道の駅にある海産物卸会社直営の「活魚センター勝丸」で、
本場の鰹のタタキでぇい!
タタキもうまかったけど、魚のアラが入った味噌汁がとてもうまかったぁ〜。

篠山は愛媛県と高知県の県境に位置し、
アケボノツツジで知られた山です。
1km弱歩くだけのお手軽な山登りなので、観光にやってくる人たちが多いみたいです。

今が旬の鰹のタタキ よく整備された散歩道 誰が置いたのか、椿の花
が岩の上に。
歴代山岳部幹部の鬼軍曹たちが竹刀を振り回して、川嵜君にスクワット100回
を命じているのではありません。険しい顔だけど、景色を愛でているのです。

山頂付近は、アケボノツツジのピンクと芽生えた葉っぱの若い緑が鮮やかでした。



宿泊地への国道が渋滞してスケジュールが遅れたので、
夕食は、国道沿いのすき家の牛丼肉1.5倍盛りです。
これって、ご飯少なめで、肉多めなので、
ご飯と肉のバランスが悪く、なんだか肉ばかり食べているようです。

今日の宿泊は、森の国ホテルキャンプ場のテントサイト。
ホテルのキャンプ場だから豪華設備のテントサイトを思い浮かべていたのですが、
トイレと水道があるだけの簡素なキャンプ場でした。
猿が出没するそうなので、火を起こさなければ。
そして、キャンプファイヤーを囲んで、
フォークダンスを・・・(嘘)。




LEDランプの冷たい明かりよりも、焚き火の炎がほっこりします。




でも、薪をくべ過ぎるから、炎が立ちのぼって、
着ているフリースに火の粉が穴を開けないよう逃げ惑う羽目に・・・。

風の谷のナウシカでも、じいさんが言いましたよ。
「あんたらは火を使う。
そりゃ、わしらもちょびっとは使うがのう。
多すぎる火は何も生みはせん。
火は一日で森を灰にする。水と風は百年かかって森を作るんじゃ。
わしらは、水と風のほうがいい。」って。


3日目(5月5日)

起きたらテントの外は雨でした。気分は、すき家の牛丼肉0.5倍盛り。
並盛りより減ってるがな!
屋根がないから、車のテールゲートを開けて屋根にして、
その下で立ったまま梅がゆを食べましたとさ。

カッパを着て渓谷に沿った遊歩道を歩き、登山道に取り付きます。
つるっとした一枚岩の上を緩やかに水が流れていたり、
岩を流れが削って激しく流れていたりと
いろいろな水の表情があります。




立て札に「難路」と書いてあるとおり、
急な斜面を木につかまって登るところもあり、
ロープにつかまって岩壁を降りるところもあるコースでした。
なので、画像はないです。

山頂は広いのですが、不思議と木も笹も生えてなくて荒地になっていました。
鹿が食べつくしてしまったのでしょうか?
鹿の食害を防ぐために、山頂はぐるりとフェンスで囲まれているのです。



庭師が剪定したかのように庭園っぽくなっています。



山を降りてしばらくすると、山頂下で出会ったおばあさんに再開しました。
敦賀から高速道路を使わずに、
道の駅で寝たりしながら、一人で車を運転して山に登りに来ているそうです。
午後からは篠山へ登りに行くそうで、
その脚力、気力に脱帽です。

四国といえば、お遍路さんです。
3日間だけでも50人くらいのお遍路さんを見ました。
笠を被って、リュックを背負って、杖を持つのがスタイルのようですが、
中には、キャスター付きバックを転がす派手な服装の女性のお遍路さんもいましたがね。



混沌とした世の中だけに、
何かに悩んで、何かを求めて、何かを達成するために
歩いているのでしょうか?

香川県に戻ってきました。
四国の第3の目的は、池上製麺所です。
ここのるみおばあちゃんは、テレビで放送されたこともあって、
夕方の開店前から長蛇の列です。


GW中ってこともあって、1日に千数百食も出るそうです。



photo by Kawasaki

メニューは、いたってシンプルで、
温かいのか冷たいのかしかありません。
シャンプーボトルのポンプを押して、醤油をかけます。

おおっ!強いコシとつるりんと喉越しのよさ。
美味いぞ、讃岐うどん。
ここでしか売っていないというお持ち帰り用生うどん6食セットを買って帰ったのですが、
帰りの高速道路のSAで売ってるし、
うちの近所のスーパーでは1食セットが売ってるしね。
かなりメジャーだからしかたないか。

帰りの温泉は、高松ぽかぽか温泉に入りましたが、
なんだか銭湯のようでしたね。
でも、雨の中の山登りだったからスッキリしたぁ〜

すき家の牛丼並盛に復活!



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