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の乱舞 part2

「観察&記録」平成18年

1.人工飼育 
H18.07.11  集団営農の話が本格化しそうです。(もしかしたらホタルが住めなくなるかもしれない)と思ったとたん、ならば少しでも増やす方法はないものかということで、自宅でホタルを飼育することにしました。
 6月18日(日)公民館の南側に広がる田んぼや農道、用水路を歩き回り源氏ボタルを捕まえました。月が隠れて風も無く雨も降っていない、捕獲には絶好の夜でした。飛び回っているのは大抵オスで、容易に捕まえることができましたが、メスは草影に隠れてじっとしていることが多く、やっとの思いで捕まえて発光器の数を確認すると、「ああ、またオスか。」の連続でした。それでもメスを2匹、オスを8匹捕獲し、田んぼの渕に生えている苔と一緒に持ち帰り、きれいに洗って小型のパックに入れ、飼育ケースに入れました。ホタルは乾燥に弱いので、毎日の霧吹きを欠かさないことが大事です。それこそ、家族の食事を作るよりも毎日気にかけていました。そして、暗がりが好きなので、布なので覆ってやることも大切です。そんなこんなで、どうやらメスが卵を水苔に産み付けたようです。孵化に備えて極小のカワニナも捕まえてきました。エアー入りの容器で飼育中です。どうか、無事生まれてきますよう・・
H18.07.23  安居で人工飼育した初のホタルベビーが誕生しました。
 7月14日の金曜日の午前6時ごろ、苔の下に張ってあるバットの水に浮いている黒いツブツブと、底の方に孵化した幼虫がいるのを確認しました。全部で70個ほどでしたが、飼育している私にとっては、まさしく初めての経験で、その時の驚きと喜びが入り混じった感動は、一生忘れないと思います。その後3日間で約300個の幼虫が孵化し、今日(7/23)で合計約400匹の幼虫を確認しました。ホタルの卵は、苔に産み付けられた時は黄色っぽくて、直径約1ミリです。そっと苔をめくってみると、肉眼で確認できます。卵が成熟して水面に落ちたものは真っ黒で大きさは変わりません。そのあと卵から孵った幼虫の大きさは約2ミリです。虫眼鏡で見てみると、その形状がよくわかります。なんといっても餌になるカワニナをつかまなくてはいけません。カワニナ専用の水槽を別につくり、藻とエアーを入れて飼育しています。すべての幼虫が成虫になることはないでしょうが、1匹でも多くの成虫に育ってほしいと思っています。
田んぼの用水に群がっているカワニナです。
幼虫が大きくなるのに合わせて、カワニナも大きいものが増えてくることがわかりました。
 
 幼虫は、水槽の中の石の裏に団子のように固まっています。真ん中のグレーのものがそうです。昼間は石の下に隠れていますが、夜暗くなると、這い出してきてカワニナに頭を突っ込んで食べ始めます。朝方までその状態でいる幼虫もいます。中には、1匹のカワニナに数匹の幼虫が群がっていることもあります。
   カワニナの水槽と幼虫を飼育するための水槽を分けてあります。写真右側の白いボックスは、水温を一定に保つためのものです。床においてある黒いボックスは、水を浄化するものです。今年の夏は36度を越える日が続いたので、水温管理には気を使いました。ボックスの容量が小さすぎたようで、水温が28度を超えた時は、ペットボトルに水を入れて凍らせておいたものを何本か準備して、それを水槽に入れ、なんとか乗り越えました。
H18.11.10    幼虫は大きさにばらつきがあります。餌のカワニナをどれだけ食べることができたかが成長に影響するようです。孵化したあとしばらくは極小のカワニナを与え、だんだん大きなものを与えるようにしてきました。ですが、犬や猫のように人間の手から直接与えることはできないので、幼虫とカワニナの出会いを作るように心がけました。
 私は朝と夕方と夜の3回はライトで照らしながら幼虫の様子をみます。カワニナが水槽から這い出してそこら中に落ちているからです。それを拾い上げて水槽に戻すのも、けっこう神経を使います。要するに、出勤前と帰宅後、家事が終わった後や就寝前に、家族から「ホタルが熱いといってるよ。」といわれるぐらいに足を運んでいるわけです。そんなある夜9:30頃に、石から這い出してきた幼虫の側にカワニナを置いてみたら、すぐさま食いつきました。思わず「やった。」と小声で叫びました。だって、直接餌を与えたようなものですもの。そんなこんなで、大きいものでは2センチを超えていますが、やはり、自然の摂理といいましょうか、どうしても死んでしまうものもいます。水槽に丸まっている幼虫をみて、私の娘が「ホタルだってお腹痛い時もあるやろ、大丈夫や。」と言ってくれましたが、死んでいく姿を見るのは、とても悲しいです
   水槽の手前側になります。右側の吸水口から水を取り込み、濾過した後左の排出パイプから流れるようになっています。
   幼虫と言っても「え、これがホタル?」と大方の人は思うでしょう。初めて見た人は、みなさん気持ち悪がります。でも、私にとっては今ではわが子と同じようなものです。家族の食事の準備より、カワニナを捕まえる方が大事です。
   左の写真下側の小さめの石をどかしたところ、幼虫が何匹か固まって隠れていました。右の写真は続けて写したもので、右上の写真は、どけた石を私が衛生手袋をはめた右手に持って、左手でシャッターを切ったものです。
 ホタルの幼虫は残酷で獰猛です。生きるために、カワニナを生きたまま捕食するのですから。
一度、幼虫が頭を突っ込んだ状態のカワニナをピンセットで挟み、少し引っ張ってみましたが、ホタルは軽く引っ張り返すほどの力を発揮しました。私の方が驚いてしまいました。命はつながり、繰り返していくのですね。
当たり前のことだけど、一生懸命生きているのです。
せっかく生まれてきた命、やっと生まれたこの命、生かされているということを忘れてはいけません。
自分勝手に命を絶ってはいけません。

                    最近、子どもたちが自ら命を絶つことについて、思うままに・・・
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