【これより当宇宙船はウインタースノーにむかって出発いたします。シートベルトをしっかりお閉めください】
アナウンスの声が船内に響きわたる。正面の画面には船内での注意が表示されている。
「いよいよだねー」
「僕、宇宙船にのるのはじめてなんだ」
「ボクも。たのしみだな」
カービィが隣に座っているネスと話している。フォックスが静かにするよう注意している。
「あれっ?カービィって乗ったことないの」
身体を前にだし2つ隣のカービィにヤングリングがなんでという感じできいてくる。
「だってボクいつもワープスターで移動してるからさ。乗ったことないんだよね」
「じゃあフォックスは?」
「俺は何回か乗ったことある」
ヤングリンクが納得して席につく。間もなく宇宙船がゆれはじめ、その瞬間身体が椅子に押し付けられる。
「気持ちわりぃ」
リンクが言う。顔色が少し悪い。
「これぐらい何ともないよ」
「リンク兄ちゃん大丈夫?」
「大気圏を通過するまでの辛抱だよ」
さすが子供。これくらいでは音をあげない。身体を椅子に押し付ける力も和らいでくる。天井が透明になり、外がみえる
ようになる。色とりどりの星や、流星群。天の川や小惑星がみえる。
「綺麗ね」
「何回みても飽きないわ」
「地上でみるのとは、全然ちがうわ」
女性3人が楽しそうに話している。
「ねぇカービィアレ何?」
「あれはハレー彗星だよ」
「あっちにも宇宙船があるよ」
「本当だ。ウルルンスター行きだって」
「ネス。視力どんだけあるの?」
「両目とも4.8」
カービィ、ネス、ヤングリンクがこのあと3回フォックスに叱られるはめになる。
「フォックス。ウインタースノーまでどの位かかるの?」
「まあ。だいたい3時間ぐらいだな」
「気長に行こうぜ。あいつみてえに」
ファルコの指差す先には、爆睡しているマリオの姿があった。

2時間ぐらいたったときのこと。周りにも寝ている人が目立ち始めてきた。リンクとネスがスチュワーデスに
飲み物をたのんでいる。
「そちらのお客様は?」
「ボクはいいや」
スチュワーデスが去ったあとネスが言った。
「カービィ珍しいね」
「ボクにはこれがあるからね」
じゃ〜〜んと言いながらカバンから何かとりだす。赤い実に白い文字でMと書いてある。マキシムトマトというカービィの
大好物だ。
「いっただっきま〜す♪」
そしてカービィが食べようとしたとき。事件はおこった。

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