「うは〜〜」
空港の自動ドアかひらくと、どっと冷たい風がふいてくる。なんだかすっきりする感じだ。空港は小高い山の上にあり、
そこから街が一望できる。街の中には、山を後ろにして建っている巨大な建物が目立つ。右手には山々が連なってお り、左手は下り坂になっている。空には厚い雲がかかっており、雪が少しばかり降っている。それはまるで
「空から降るマシュマロ」
「えっ?ポップコーンじゃないの?」
「違う違う。小麦粉だよ」
カービィ、ネス、ヤングリンクがどうでもいい話をしている。3人(2人+1つ)をリンクとファルコンがバスに連れ込む。
下り坂を下っていくバスの中で、ネスがカービィに聞く。
「今日はどこに泊まるの?」
「え〜と・・・・・さっき空港から見下ろしたペンションあったでしょ。今日はスキーの後そこに泊まるんだよ」
「ほらついだぞ」
バスを降りて最初に目についたのは、先ほど山の上から見た巨大なペンションだ。茶色いレンガの壁が時代をかんじさ
せる。なかは最上階まで吹き抜けになっており、天井に巨大なシャンデリアがついている。ぼんやりとしていて暗い気も するが、そのほうが似合う感じがする。カウンターにいったリンクが受付の人と話している。
「お客様。申し訳ありませんが、今しばらくスキー場は閉鎖しております。」
受付の男が言った。まだ若く、髪は帽子の中におさめられている。
「なにかあるのかい?」
「最近巨大な怪物があらわれたんです。もう何人も襲われております。専門家の方に連絡したのですが、なかなか忙し
いようで」
リンクが頭をかきながら困った顔をする。そしてひらめいたように言う。
「じゃあそいつを退治すればいいんだね?」
「お客様。申し訳ありませんが専門の方がくるまでおまちください」
男が少し慌てながらも最初と同じ様に言った。
「そんなの待ってられないよ」
「お客様ー」
男が呼ぶころにはリンクはもう遠くに行っていた。リンクは面倒なことになったなと思った。仲間達はホテルの椅子に並
んで座っていた。リンクがとりあえずいきさつを話すことにした。フォックスやピカチュウならわかってくれるだろうが、ピ ーチやサムスがなんと言うだろうと思っていた。しかし意外とあっさりした応えがかえってきた。
「まあいいんじゃない?」
「そうね。専門のやつなんかまってる暇ないし」
「それにここんとこ何もなくて退屈してたのよ」
ピーチが楽しそうに言う。数人が明日無事に朝ごはんを食べれるか心配になった。
「じゃあ誰が行くの?」
カービィが聞いた。確かに全員でいっても仕方がない。
「私はパス。武器とかもってきてないもの」
サムスがちょっと残念そうに言った。数人が明日の朝日を無事におがめるかもと思った。
「行きたい人」
ピカチュウが言うと全員が手をあげた。全員がお互いを見る。ヤングリンクが意見した。
「じゃんけんで決めよう」
メンバーは決まった。カービィ ヤングリンク ヨッシー ピーチ マリオの5人(3人+1つ+1匹)になった。各々で防寒対
策をしている。
「じゃあ出発!」
ピーチが山頂を指差した。ピンクのドレスではなく、袖と裾が白い茶色の毛皮を着ている。手にはスキー板が持たれて
いる。カービィはどこからとってきたのかアイスをコピーしていた。スノーボードを背中と思われる部分に背負っている。 マリオはいつもどおりの格好でスキー板をもっている。ヨッシーは赤いマフラーと同じ色の帽子をかぶっている。ヨッシー もスキー板をもっている。そしてもう一人いるのが。
「ゴロン?」
全員の視線がそれにそそがれる。先のたれた緑の三角帽子をかぶり、首には紫色の巨大なネックレスをつけ、茶色の
靴とグローブをはめている。たくましい腕と岩のような背中はゴロン族のものだ。
「ここにもゴロンているのか?」
「ゴロンは暑いところにすむんだよ。そんなわけないじゃん」
それがゴロンの仮面をつけたヤングリンクだと気付くのに3分02秒かかった。
「じゃあ出発!」
意気揚揚と出発する5人(3人+1つ+1匹)。その先には何が?
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