「ということで」
マリオが近くにあるでっけぇ看板を指差した。漢字2文字がかいてある。
「ここが頂上だ」
「はっやーーーーーーーーーーーーー」
ピーチ達の声が雪山でこだまする。
「ついでにいうと」
マリオが少し下のほうを指さした。結構急な下り坂で、その先に穴がみえる。
「あれが怪物の住処だ」
「ちっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ピーチ達の声が雪山でこだまする。なんでもっと早くに処置しなかったんだよなどという声は無視して穴の中に入ってい
く。なかは雪が積もっており、坂が螺旋状になっている。外よりも大分寒い。吐く息が白い。
「なんとなく展開がよめてきました」
ヨッシーがこの小説で初めてしゃべった。全員が嫌そうに後ろを向く。先ほど入ってきた穴の上にかわいらしいペンギン
がいる。ペンギンが勢いよくとんだ。ペンギンが着地すると洞窟全体が揺れる。青いふさふさの身体で、頭に王冠をか ぶっている。可愛らしい大きい目がこちらのようすをうかがっている。とても愛くるしいが、体長は5メートルほどある。
「怪物ってこれか?」
「そうじゃないの?」
ペンギンがにやりとする。全員が嫌なものを感じる。ペンギンが甲高い声でなく。
「ぺんぺーーーーーーーーん」
ペンギンがとんだ。そのままマリオ達の上に落下してくる。
「避けろーーー!」
マリオが叫んだ。全員が四方八方にとぶ。ペンギンが着地するとまた洞窟が揺れた。
「くらえーーーっ」
ピーチがどこからかバズーカ砲を取り出し、撃つ。しかしペンギンが口から白い息を吐き出す。白い息にふれたバズー
カ砲はたちまち氷ついてしまう。
「これでどうだ」
カービィが氷の息を吹き付ける。ペンギンが大きく息を吸い込んだ。氷の息はたちまちペンギンにすわれてしう。
「これでどうです」
ヨッシーがとび上がる。そして上から卵を投げつけた。ペンギンが前屈みになる。そして勢いよくとぶ。ペンギンがまたプ
レスをしようと体勢をかえる。
「どりゃーーーー」
壁キックで同じ高さまできていたマリオが身構えていた。渾身の力でペンギンの上部を殴る。ペンギンはそのまま地面
に叩きつけられた。マリオが叫んだ。
「今だ!」
ヤングリンクが転がり始める。まだ起き上がっていないペンギンに強烈な体当たりを加える。上空にペンギンが舞い上
がる。ピーチが手榴弾をとりだす。口でピンを抜き、ペンギンに投げつける。それは空中で回っているペンギンに直撃し た。カービィが息を吸い込み、氷の息を吐き出す。ペンギンは爆発で飛ばされ、壁にたたきつけられていた。そこにカー ビィの氷の息が襲い掛かる。その勢いは凄まじく、ペンギンは身動きすることができない。カービィの息が終わっても、 攻撃は止まらない。ヨッシーが下でペンギンの足をつかみ投げ飛ばした。しかしペンギンは途中で体勢を立て直し、無 事に着地をする。それと同時に洞窟が揺れた。最初の時よりも、大きい揺れだ。立っているのがやっとの状態である。 全員の動きが止まった。その隙に、ペンギンが螺旋状の坂を腹で滑り始めた。
「追いかけるわよ」
揺れがおさまると、ピーチ達も坂を滑りはじめる。ペンギンは頭を前にし、猛スピードですべっている。摩擦熱はどうした
という質問は受け付けない。その後ろをピーチ達が追いかける。
「なんてスピードなんだよ」
「このままじゃ追いつけません」
「任せなさいっ」
ピーチが髪に手を突っ込む。ピーチの美しい金髪がなびく。手を取
り出すと、自分身長と同じくらいある黒い土管がでてきた。どうやって
収納されてるのかは知らない。ピーチがそれを肩の上にのせるよう
にかまえる。
「発射!」
耳を劈くような爆音が洞窟の中で響く。土管の前後から白い煙が
飛び出した。煙を突き破るようにしていくつもの黒い物が飛び出し
た。円柱の形で、先端が丸くなっており顔がついている。見覚えの
ある姿だ。
「キラー?
カービィが言った。マリオシリーズではお馴染みのキャラクターだ。
キラーはペンギンに向かって突進していく。この状態は予想してな
かったようでかなり面くらっている。しかしすぐに白い息を吐き出し
キラーはすべて氷ついてしまう。
「きーーーっ」
ピーチが親指の爪を噛んで悔しがっている。ピーチは横を向き隣を滑っているマリオの腕を鷲づかみにする。そして
「くらえーーっ」
「ぎゃーーーーーー!」
マリオが勢いよくとんでいく。その姿はキラーのようだ。しかしペンギンにはたかれ、あっけなく落下していく。
「よくもマリオをっ」
他の3人は、投げ飛ばしたのはあんたじゃないか。と思ったが、口にすると投げられそうなので、ただ呆然と落ちていく
マリオを見つめていた。
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