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住宅の断熱性と省エネ基準

    住宅の省エネ化で最も大事なのは断熱です。 建物外皮を断熱して、少ないエネルギーで室内の温熱環境を保ちます。外壁・屋根の他、開口部(断熱サッシ+LowEペアガラス)、床・基礎の断熱化も必要です。新築住宅の申請は、R7年4月以降は国が定めた「R7年省エネ基準」が最低基準となり、義務化されました。

    R7年省エネ基準を見ていきましょう。全国は8つの地域区分に分かれます。
    北から、北北海道1/南北海道・北東北2/東北3/北関東4/関東5/
    東京・北陸・中部・中国6/北九州7/沖縄8です。地区により基準値は違います。

    基本性能はA)建物外皮が3つ、B)設備性能の合計が1つ。
    ただしA3)のC値に基準値はありません。
    福井市は6地区なので、その基準値を示します。
    ・A1)建物外皮性能(屋根or天井/外壁/開口部/床or基礎)Ua値:熱還流率「W/(u*K)
           4部位のUa値x各部面積/合計面積=平均Ua値≦0.87(基準値)
    ・A2)日射熱取得率(太陽日射の室内への入りやすさ)
           窓毎のガラス種別・障子の有無と庇形状による日射量/外皮面積=        ηac値(イータac):冷房期の日射熱取得率
           「小さい値のほうが遮蔽性能が高い」平均ηac≦2.8(基準値)
    ・A3)気密性能(相当隙間面積 C値「cm2/床面積m2」)
           高気密住宅の目標値は0.5<C値<1.0程度
    ・B)設備性能(一次エネルギー消費性能)(空調/換気/照明/給湯/太陽光発電*)
           BEI=設計一次Ene消費量/基準一次Ene消費量≦1.0


A1)外皮の断熱

    内断熱(充填断熱)
    木造住宅の内断熱(=充填断熱)は外壁軸組(骨組)に断熱材を充填します。軸組が木材で断熱性能があるので、すき間に断熱材を詰め込みます。内断熱の壁構成は、外壁材+通気層+軸組・充填断熱+防湿(気密)層となります。鉄骨造軸組みの外壁には適していません。

    外断熱(外張断熱)
    外断熱は家をまるごと「おふとん」で包むイメージです。外断熱の壁構成は、外壁材+通気層+断熱材+防湿層+軸組となります。鉄骨造の建物に適しています。

    高断熱(内+外張断熱)
    断熱性能をさらに高める場合、内断熱と外断熱を組み合わせます。天井面断熱は内断熱だけで厚くできます。
      


A2)遮熱性

    温暖化で夏期の高温対策が必要です。壁面および開口部の遮熱としては、庇・バルコニーの設置が有効です。開口部の外ルーバー、壁面緑化などの方法もあります。
    低層部分の開口部では、落葉樹による木陰は夏季有効です。

    屋根面の遮熱は外壁断熱と同じ方法で可能です。2重屋根設置や屋上緑化、高反射塗料塗りなどの方法があります。


A3)気密性

    コンクリートの建物は元々気密性がありますが、木造や鉄骨造は外皮材料を並べて張る工法のため気密性がありません。外皮を断熱しても、隙間から外の空気が自由に出入り(=隙間風)して断熱効果は期待できません。材料の接合部に隙間が無いように、テープ類で塞ぐなどして気密化する必要があります。相当隙間面積C値の基準値は決まっていませんがC値が1.0未満であれば、漏気が少なくて計画換気が乱れないとされています。

    室内の湿気が外皮の断熱層に進入すると内部結露が発生して劣化の原因になるので、内側に防湿層(=気密)を設けます。断熱性能を高めるほど、気密性を高く維持する必要があります。また、断熱材内に進入した湿気を逃がすために、断熱材外側に通気層を設けます。

    特にグラスウール系断熱材で気密性能を高めるには、ビニル袋入りの断熱材ではなく、フェルト加工されたものを外壁・天井の内側に直接充填して、内壁ボード下に広幅の気密シートを先行して張ります。気密シートの接合部が少なくなり、さらにテープで塞ぐことで気密性が高めやすくなります。換気扇・コンセントや配管配線の貫通部処理も行います。

    床基礎の断熱には、基礎断熱と床断熱が有ります。
    基礎断熱は断熱材を基礎外側に設置する方法と、断熱材を基礎内側に設置する方法が有りますが、住宅ではシロアリ対策として基礎内断熱が主流になています。ユニットバスの床下は、一般的には基礎断熱になります。
    床下空間は1階室内の一部になるため、空気の流れを考えて床面に換気ガラリを設置します。この床下にエアコンを設置して冬場の暖房に使用する方法が増えています。床面の温度が上がり居住性がアップします。しかし、冷房で使用すると床下で結露します。
    床断熱は基礎上の土台・大引き・根太材部にボード系断熱材を金物等でひっかっけて設置する方法です。たくさんの柱類・配管類が床貫通するので床気密シートの接合処理ができないと、気密性が低下します。



B)設備性能(一次エネルギー消費性能)

    設備性能は(暖冷房・換気・照明・給湯・家電等の合計)消費エネルギーに分類して下記のBEI値を計算します。
      BEI=設計一次Ene消費量/基準一次Ene消費量≦1.0
    BEI値の基準値はR7年4月から住宅・非住宅で1.0以下、2000u以上非住宅で(工場0.75/事務所・学校0.8/病院・飲食店0.85)でスタートしました。今後BEI

    設計一次Ene消費量
      暖房:ルームエアコンを選定する場合、暖房の定格能力(例5.0KW)と
          定格消費電力(例940W)より
          定格エネルギー消費効率=5,000/940=5.319→5.31
      冷房:同様に冷房使用時の定格能力と低格消費電力より
           定格エネルギー消費効率=4,000/900=4.44
      換気:(ダクト式1〜3種/壁付け式1〜3種を選択して
          比消費電力=換気設備消費電力(W)/設計風量(立米/h)
          換気回数=(0.5回/h・0.7回/h・0.0回/h)から選択
      給湯:浴室の有無、燃料の種別選択、ふろ機能の選択、水栓設備の選択
      照明:照明設備の種別、LEDの割合、調光設備・人感センサーの利用
      太陽光発電:年間日射地域区分の入力、方向毎のパネル面数の入力
            パワーコンディショナの定格負荷効率の入力
            太陽電池アレイのシステム容量・アレイ種別の入力

    基準一次Ene消費量
      Webの申請プログラム(住宅版)に入力して計算を進めると、各設備ごとに
      基準一次Ene消費量が記載され、全体の年間消費熱量(MJ)が算出され
      自動的にBEI値が算出される。



    【参考文献】
  1. 柿沼整三著「建築断熱の考え方」2004、オーム社
  2. 住宅省エネルギー技術者講習会テキスト
         -基本編-H28年基準2020、一社木を活かす建築推進協議会
  3. 前真之著「新エコハウスのウソ3」P78-81、
         雑誌:日経アーキテクチャー2019/3/14号
<2022.10.15作成>
<2026. 7.28更新>

   

 熱の単位
 1W(ワット)は1秒あたり
 1J(ジュール)の熱が移動する
 速さを示す
   1W=1J/s



内断熱

外断熱



鉛直荷重

























































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