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住まいづくり
断熱材の性能

    断熱とは熱の移動を止めることです。
    熱の移動は「伝導」「対流」「放射」の3つの形があります。断熱材として特に重要な「伝導」を止めるには、材料内の「静止した空気」が大切です。静止した空気の熱伝導率(=λラムダ)0.022で、断熱材の素材である樹脂類(λ=0.2程度)よりはるかに熱を伝えにくいものです。(熱伝導率λが小さいほど、断熱性能が高い)

    空気が動くと「対流」で熱移動が発生します。断熱材の性能は、どれだけ小さな空隙(仕切り)で空気を移動しないように閉じ込められるかで決まってきます。繊維系では細い繊維と高密度で、樹脂系は発泡の微細化が有効となります。

    複層ガラス窓はガラス素材(λ=0.8程度)で、挟んだ空気で断熱を獲得していますが、ガラス層を3層4層と増やすことで高い断熱となるのは、空気の対流が減少するためです。LowEガラスは金属膜で「放射」を減少させます。また、窓枠の性能も影響します。

    各部位の断熱性能(=熱貫流率U)の計算
    その部位の構成材料(=層)ごとの熱抵抗R(=d/λ)を求め、それらを合計した熱貫流抵抗の逆数となります。部位の外気側、室内側の表面熱抵抗Ro、Riは定数です。構成層の熱伝導率が中位でも、厚みが十分大きければ、熱貫流率Uは小さくなります。(熱貫流率Uは小さいほど、断熱性能が高い)
    外皮平均熱貫流率(屋根天井・壁・窓・床・基礎)はUa値と表記します。外皮の面積(=A)uとすれば
    家全体の外皮熱損失量 q(W/K)=Ua・ΣA となります。
      


開口部(窓)の性能

    木造住宅の冬期の熱は約半分が開口部(窓)から失われます。開口部の断熱は、極めて重要です。H11年基準の家でも、開口部の断熱性能U=4.65は外壁U=0.53で1/10程度です。開口部の断熱性能が、その部屋の性能を決めます。

    熱貫流率U(小さいほど断熱性能が高い)[W/(u・K)]
      アルミサッシ(単板ガラス):U=6.51
      アルミサッシ(複層ガラス):U=4.65
      アルミサッシ(単板ガラス)+プラ窓(単板ガラス):U=2.91
      断熱アルミサッシ(LowE複層ガラス/空気層10mm):U=2.91
      アルミサッシ(LowE複層ガラス/空気層10mm)+プラ窓(単板ガラス):U=1.90
      アルミサッシ(単板ガラス)+プラ窓(LowE複層ガラス):U=1.71
      <最新の高断熱新製品>
      樹脂サッシ(LowE 3層ガラス/アルゴンガス):U=0.91(Ykkap:APW430)
      樹脂サッシ(LowE 5層ガラス):U=0.55 (LIXIL:2016年4月発売)

    家全体の改修ができない場合でも、プラ窓での窓改修U=2.91で断熱性能UPが期待できます。ただし、古い家は耐震性能が心配なので、家に投資すべきか迷うところです。たとえば、浴室の窓を断熱板で冬一時的に塞ぐだけでも効果はあります。


低断熱の家:修理方法

    日本ではS50年代から断熱材を使い始めました。しかし平成になっても、北陸の住宅は断熱効果が実感できない状況でした。木造軸組住宅の断熱研究が大学で始まったのはS55年頃の北海道・室蘭でした。それは壁内部と床下が繋がっているため、床下の寒気が外壁・間仕切壁の内部に進入するのが原因でした。壁内に進入した空気は室内の熱を奪いながら上昇し、天井裏へと抜けていきます。外壁に断熱材が入っていても効果はほとんどありません。(参考文献:(3))
    改修の方法は全ての壁内部を床下・天井裏との境界に気流止め(乾燥木材または床合板を伸ばして)で塞ぎます。外壁・床下・天井裏に断熱材をいれて、室内を寒気から守ります。
    基礎を作り直すことが出来る場合は、床下を外に開放せずに、基礎で断熱する方法もあります。



    【参考文献】
  1. 柿沼整三著「建築断熱の考え方」2004、オーム社
  2. 住宅省エネルギー技術者講習会テキスト
         -基本編-H28年基準2020、一社木を活かす建築推進協議会
  3. 鎌田紀彦・他著「Q1.0住宅の時代」2009、
         NPO新木造住宅技術研究協議会
<2022.10.15作成>
<2026. 7.28更新>

 

熱伝導率  λ(ラムダ)W/(m・K)
 静止空気:0.022
 木   :0.15
 塩ビ  :0.17
 静止水 :0.55
 ガラス  :0.8
 コンクリート :1.6
 鉄   :83
 アルミ :236
 真空断熱材:0.002
 ウレタンフォーム :0.023~0.029
 セルロースファイバー:0.040
 グラスウール  :0.033~0.050

熱抵抗 R(u・K/W)
 材料の厚さd(mm)
 材料の熱伝導率λ
 R=d/λ
 Ro:外気側の表面熱抵抗=0.04(壁)
 Rn:構成材料の熱抵抗n=1,2,3〜n
 Ri:室内側の表面熱抵抗=0.11(壁)

熱貫流率U(W/(u・K)
 部位の断熱性能を表す
 U=1/R=
 1/(R0+Rn1+Rn2+・・・Ri)


Ua基準値
 1)北北海道:0.46
 2)北海道 :0.46
 3)北東北 :0.56
 4)東北  :0.75
 5)北陸・北関東:0.87
 6)南関東・関西:0.87
 7)九州  :0.87
 8)沖縄  :なし
<改正R1年5月17日>


























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