脱皮して間がないカニは肉が少ないために軽く、しかも水っぽくてカニ本来の味が薄く、商品価値が低い。 そこで、まず重量のあるカニを選び、体の最も軟らかい部分である腹側を指で押し、最も硬いカニを選ぶ。カニだけは大きければ良いというものではない。
”越前がに”の雄は大きい順に大ガニ、中ガニ、山ガニと呼ばれているのが、商品価値が高くなるにつれて、鋏の大小、脚の欠落などによって細分されてきている。 雌はセイコまたはクロコと呼ばれているが、金沢ではコウバコと呼ばれている。 水ガニとは脱皮してまだ間がないため、甲らが柔らかく、筋肉も水っぽいカニを指し、甲らを外し、脚だけを束ねて売られていることが多い。 漁期の後半になると、甲らも硬く、筋肉も多くなって値打ちが上がってくる。
カニの味は冷凍されると落ちるため、国内産のカニが冷凍されることはまずない。 したがって冷凍品はアメリカやカナダから輸入されたカニである。 生で冷凍されたり、ゆでてから冷凍されたり、さらには、姿のまま、あるいは甲らを外して冷凍されている。
カニの刺身のこと。生きているときに足の筋肉を取りだして水の中に入れると、一本一本の筋肉がバラバラになって反り返り、白い細長い花びらをもつ菊の花が開いたように美しい。
ゆでた甲らにカニの味噌を入れ、熱い日本酒と混ぜて飲む酒のこと。卵巣や外子卵も入れるとその風味が一段と増す。