数の世界


2002/ 1/14作製
フェルマーの最終定理

Story of math-master


最終定理(予想)の内容

1637年

フランスの法律家で数学者のピエール・ド・フェルマーは1630年代(30〜40才頃)に、ギリシア時代の数学者ディオファントスの「算術」という数論の本を読み、気付いたことを欄外の余白に書き込んでいた。その中に、次のような内容の「予想」が書かれてあった。1637年頃といわれている。


nが2より大きい自然数であれば
n+Yn=Zn
を満たす、自然数X、Y、Zは存在しない。

この予想の意味する内容を理解することは簡単です。
n=2の場合、32+42=52となり、(X=3,Y=4,Z=5)は1つの解となる。
有名なピュタゴラスの定理である。ところが、
n≧3の場合、Xn+Yn=Znの、自然数解X、Y、Zは存在しない。
・・・・・・・とフェルマーは言う。
ほら!簡単でしょ。
では、どうやって証明するのかって?
最初は、n=3、4、5、・・・・てやってみるしかないが
n=無限まで証明できないと、終わらない。
一見簡単そうに見えるこの予想は、多くの数学者の挑戦を350年に渡って退けてきました。


解決への道のり

フェルマーの最終定理は1995年アンドリュー・ワイルズによって証明されましたが、その内容を真に理解することは、数学者でもこの分野の専門家でないと難しいと言われています。しかし、その物語は感動的で、現代数学の世界に誘ってくれます。何とかその世界を覗きたい気持ちになりますが、どうでしょう・・・・・。


歴代数学者の挑戦
●フェルマー自身の証明(n=4) 1640年
●オイラーの証明(n=3) 1753-1770年
●ディリクレとルジャンドルの証明(n=5) 1825年
●ソフィ・ジェルマンはn=「奇素数pで2p+1も素数の場合・・・」を証明 1823年
●ディレクレはn=14の場合を証明 1832年
●ラメはn=7の場合を証明 1839年


新たなる道のり代数的整数論の確立
●アーベルの仕事 1824年
●ガロアの仕事 1831年 「群」の理論
●クンマーによる証明 1840〜1860年代
●モーデル・ファルティングスの定理 1922〜1983年


谷山・志村予想
●谷山・志村の予想 1955年
●フライ予想 1984年 「谷山・志村予想が正しければ、フェルマー予想が正しい。」
●リベットがフライ予想を証明 1986年


ワイルズの挑戦
●ワイルズの講演 1993年6月23日 フェルマーの最終定理ついに解決か!
●ワイルズの憂鬱 1994年9月19日 ワイルズのひらめき
●ワイルズの勝利 1995年5月



▼参考文献
  1. 足立恒雄著「フェルマーの大定理が解けた」1995、講談社
  2. 富永裕久著(山口周監修)「フェルマーの最終定理に挑戦」1996、ナツメ社
  3. A・D・アクゼル著(吉永良正訳)「天才数学者たちが挑んだ最大の難問」1996(1999訳)、早川書房
  4. E・T・ベル著(田中勇・銀林浩訳)「数学をつくった人びと」1937(1997訳)、東京図書


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